塩羊羹のノンカロリーデイズ

甘いもの食べたい。しばらくは高校受験、大学受験の現代文の勉強法を中心に書きます。

現代文の勉強法 3 現代文とは何か 現代文の問題の難易度の見極め方と現代文の種類

  こんにちは。今日は久々に現代文の勉強法シリーズ第三弾をお届けします。

目次

  1. 受験現代文は人から教わればできるようになるのか
  2. 現代文の指導・授業を受ける前にどのような準備をするべきか
  3. 現代文とは何か 現代文の問題の難易度の見極め方と現代文の種類
  4. 要約指導の弊害 要約ができたら解けるようになるわけではない
  5. まとめ 現代文は読書ではない

 

 そもそも現代文というのはどんな科目なのでしょうか。わたしは、「難しい文章の論理構成を見抜く」科目だと考えています。もっとわかりやすく言えば、「魚(文章全体)から骨(重要な部分)だけ残す」科目と言えばよいでしょうか。3-4ページにも跨ぐ長い文章から重要な部分を正しく抜き取って理解する技術が現代文には求められています。

 受験で解くような評論、論説といった問題には大きく2つの特徴があります。

1 対比でわかりやすく

2 具体例でわかりやすく

です。

 対比というのは簡単です。「日本では~、一方ヨーロッパでは~」「近代以前は~、一方、近代では~」といった風に、2つの異なるものを比べて自分の言いたいことを言う手法です。

 対比を理解するには接続詞に注目します。「しかし」「一方」は特に注目です。その前後に対比の中身が来ます。

 よく対比が現代文で重要であるかのように言われます。無論その通りなのですが、「しかし」「一方」はあらゆる場面で出てくるため、それらの接続詞にばかり注目すると、どうでもいい情報に注目してしまい、誤った解答を作り出すことになりかねません。

 ですから、私はむしろ、具体例に着目した方が良いと考えています。具体例も、わかりやすく説明するために使われるものです。例えば、「日本のご飯は美味しい」だけではなく、「日本のご飯は美味しい。例えば、白米はあらゆるおかずに合う」と説明された方がイメージできますよね?評論、論説の著者も「わかりやすさ」が命ですから、よりよい具体例を見つけて文章にしているわけです。

 評論、具体例には必ずと言っていいほど、具体例が使われます。ここで重要なのは、具体例を用いて説明しなければならないことは、筆者にとってとても重要なことだということです。具体例を説明するには、多くの字数が必要です。ですから、具体例の前後に注目して、その具体例が何の具体例かを考えることが、本文の骨子の理解に役立つのです。ですから、長々と詳しく説明されている箇所があったら、その前後に着目しましょう。

 

 さて、現代文評論、論説でよく使われるのは対比と具体例であることを説明しました。本題に戻ると、現代文評論の「レベル」を判断する上で、大きく2つの指標があります。

1 論理構成 対比や具体例を正しく上手く用いているか

2 テーマの難しさ

 論理構成が上手い文章は読んでいて一目瞭然です。例えば、しかしといった接続詞を追っていけば、簡単に本文の趣旨がわかる文章のことです。しかし、入試で出てくるような文章はそんな良い文章ばかりではありません。どうでもよいところで「しかし」を使ってみたり、途中で話が大きく変わったり色々です。

  2つ目はテーマの難しさです。これは簡単で、例えば、大学受験現代文の難しいところでは「フロイトは~」とか「構造主義~」はなど、解説を読んだだけで頭がクラクラするようなものがたくさんあります。一方で、高校受験の簡単な問題では「教室」や「日本vsアメリカ」など、わかりやすいテーマが好まれます。

 以上2つの指標から、評論、論説のレベルは大きく4つあります。

1 論理構成がわかりやすく、テーマが簡単 高校受験レベル、低位大学受験レベル

2 論理構成がわかりにくいが、テーマが簡単 

3 論理構成がわかりやすく、テーマが難しい 難関高校受験、中堅大学受験レベル

4 論理構成がわかりにくく、テーマが難しい 難関大学受験レベル

 下手な参考書は以上のレベルを全部ごちゃまぜにして紹介します。

現代文の参考書の選び方 - 塩羊羹のノンカロリーデイズ

上の記事で紹介していますが、例えば船口先生の参考書では、4が多い印象です。しかし、入門段階で4を解いたところで、残念ながら論理的に文章を読む力というのはつきません。その点、下記の『入試現代文へのアクセス 基本編』は、1が多く、いずれ3が解けるように問題が良く練られています。

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 問題を解く際には、以上4つのうちどれに当たるか考えてみるといいかもしれません。特に入門段階では、2、4は下手に解かない方が身のためでしょう。